『one for all all for one』
大内引退試合・石塚規定打席…
最終戦に相応しいドラマがあった!!
点差なんて関係無い。俺たちは最後まで全力でプレーする必要があるんだ。この日二番に入った石塚はこの試合前まで今シーズンの規定打席まであと6と迫っていた。昨シーズン途中、いつも試合を見学していた男が正式に入団。今シーズンも抜群の出席率を誇っていたが、出場機会が巡ってこなかったり、途中交代したりでなかなか規定打席に届かない。入団二年目、規定打席に到達すれば大きな自信になる。
そしてもう一人、この日の試合を最後にHLのユニフォームを脱ぐ事が決定している大内。この日は四番セカンドという舞台が用意された。
一、二打席目は四球、三打席目にボール球に手を出し一飛に倒れた。しかし四打席目直球を叩くと打球はセンターの頭上を遙かに破る二塁打。そして次の打席でもレフト線へ強烈な当たりを放った。そして、最終回奇跡的に回ってきた最後の打席。結果は四球だった。
そして前出の石塚。常識的に考えて、一試合6打席はほとんど不可能な数字だ。しかしこの試合、チームの猛攻で四回までに5打席にたった。しかしここからは時間との戦いも絡んでくる。五回の表の攻撃。この回打者一巡すれば石塚に回ってくる。次の回に入った場合には時間の関係で回ってこない。なんとしてもつないで回したいところだが、この回先頭の町田は遊飛に倒れワンアウト。だがこの後驚異的な粘りを見せる。大内、樫本、上村の三連打。川合が倒れてついに二死となったがその後、畑山、五十嵐、中原が執念でヒットを連ねついに石塚を6打席目に立たせるに漕ぎ着けた。
試合はスコアの通り26対0の圧勝。
しかし!内容はもの凄いものだった!
最後の攻撃に見せた集中力、一体感はチーム愛そのものだった。
試合後、大内選手のスピーチが行われた。
大内選手の挨拶
「1年4ヶ月の短い間でしたがお世話になりました。有難うございます。西岡さんはじめ、快くチームに迎えてくれた皆さんにも感謝しています。
思うように参加できない自分を、参加すればスタメンで使ってくれていたのに西岡さんの期待に応えられるような活躍ができなくてすみません。
もっとチームに貢献できればよかったんですが・・・
それから、HLの仲間とプレーできて楽しかったし、野球に取り組む姿勢とか、見習うところが多いチームでした。今後も西岡さん、本間を中心に良いチーム(常勝軍団)目指して頑張ってください。」
監督談話
誰かのために、みんなが一生懸命になる機会って、普段生きていてもなかなかそんな場面に遭遇しないよね。でもそれが出来るのがスポーツであり草野球なのだと言うのを認識させられる、素晴らしい試合内容だったと思う。
あんなにみんなが一生懸命になって、出ていないベンチの選手が一球一球に歓声を上げたり、悲鳴をあげたり、あんなのって初めて見たよ。ほんとに良いもの見させていただいてありがとうございました。
|